災害への備え | 防災特集 | 栃ナビ!
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防災特集

近い将来、マグニチュード7クラスの首都直下型地震が高確率で発生するとも想定される今、「備えておかなければ」と焦る反面、「何をしたらいいかわからない」という方が多いのではないかと思います。
そこで栃ナビ!は、『宇都宮市中央消防署』におうかがいし、“今、何をしたらいいのか”を教えてもらいました。

宇都宮市中央消防署の海野さんに聞きました。

宇都宮市中央消防署 海野さん

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今回お話をうかがったのは、宇都宮市中央消防署の海野さん。
海野さん曰く、「災害が起こった時の対処法を知っておくことはもちろん、事前に行っておくべき対策もとても重要。」
では、具体的には何をしたらいいのでしょう?
海野さんが教えてくれた、【災害が起きる前にやっておくべきこと】と、【災害が起きた時にとるべき行動】をご紹介します。

災害が起きる前にやっておくべきこと

地震に対しても、他の災害に対しても、事前の対策が被害の規模を大きく左右します。高い意識・万全の装備をもって備えておくことが大切です。

【1】家族で話し合っておく

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地震が起きた時、家族が冷静に正しい行動をとれるよう、普段から話し合って次のようなことを確認しておきましょう。
■避難場所・避難経路はどこにあるか
■外出時に被災した場合、どこに集合するか
■もしものときの連絡方法はどうするか
■幼児・高齢者の避難は誰がどのように行うか
■防災セットはどこに置いておくか
■NTTの「災害用伝言ダイヤル171」や、携帯電話会社の「災害用伝言板」の活用
避難場所・避難経路は、家族みんなで一度実際に歩いてみてください。地図の上だけでなく、自分の目で確認しておくことが大切です。

【2】家の中の安全対策

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家の中で事前にやっておける安全対策や、日頃から気をつけておくべきこともたくさんあります。例えば、
■通路や出入り口に荷物を置かない
■家具に転倒、落下防止の措置をとる
■寝室には倒れそうな家具を置かない
■断水時のために、お風呂の水を溜めておく
■安全に移動するために、常にスリッパを使う
など。少し気をつけるだけで、もしもの時の被害を小さくすることができます。ぜひ取り組んでみてください。

【3】避難グッズを用意しておく

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震災による被害が大きかった場合、地域に備蓄されている物資が足りなくなる場合があります。ですので、最低でも72時間は、自分だけでもやり過ごせるだけの備えをしておく必要があります。具体的には、
■飲料水
■非常食(乾パン、缶詰、レトルト食品など)
■ラジオ
■懐中電灯
■電池
■救急医療品(キズ薬、絆創膏など)
■タオル・ティッシュ
■ホイッスル・ブザー
■住民票・健康保険証のコピー
などを準備しておきましょう。これらを「リュックサック」に入れて、わかりやすい場所に備えておいてください。小さいお子さまがいる場合は、水や食料を多めに用意しておきましょう。

災害が起きた時にとるべき行動

家の中にいるときに地震が起きた場合

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実際に地震が起きたとき、どんな行動をとればいいのか。宇都宮市中央消防署の皆さんが、起震車を使って教えてくれました。

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【1】地震発生前

家の中にいるときに地震が起きた場合どうするか、宇都宮市中央消防署の川澄隊員が実践してくれました。

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【2】地震が発生したら

地震が起きたら、まずはテーブルなどの下に入り身の安全を確保してください。むやみに動き回ると、落下物に当たったりして危険です。身の安全が確保できてから、脱出口の確保をしましょう。

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【3】揺れが治まったら

火災による二次災害を防ぐために、ガスコンロの火の始末をしてください。また、ガスの元栓も締めましょう。
津波の心配のない栃木県では、地震の後に最も気をつけなければならないのは「火災」です。

避難により家を空ける場合…
家を長期間離れる場合は、停電復旧にともなう通電火災防止のために、電化製品の電源、電気のブレーカーを切ってください。
揺れが一度治まっても余震の危険があります。外に避難するか室内に留まるかは、状況に応じた判断が必要です。

外出中に地震が起きた場合

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強い揺れを感じたら、かばんなどで頭を保護し、近くの空き地や街路樹の下に避難してください。ブロック塀、門柱、自動販売機、建設現場などからは遠ざかるようにしましょう。
繁華街など、混雑するような場所にお子さまと一緒にいた場合は、お子さまと必ず手をつないでください。

車の運転中に地震が起きた場合

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揺れを感じても、急ブレーキをかけては危険です。徐々にスピードを落とし、道路の左側か空き地に停車してください。落ち着いてカーラジオから災害情報を入手し、状況を把握しましょう。
また、避難するときは、ドアをロックをせずに車にキーをつけたままにして、徒歩で避難しましょう。

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取材協力:「宇都宮市中央消防署」の皆さん

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取材協力:「宇都宮市中央消防署」の皆さん

栃木県は災害が比較的少ない土地柄もあり、危機的な事態が起こっても「自分は大丈夫」と思い込んでしまう心理的な傾向があるようです。その思い込みは、もしもの時の出足を鈍らせます。
だからこそ、「災害が起きたら時、どうするべきか」をしっかりと想定しておくこと、それぞれの役割を身の周りの人々と話し合っておくことが重要です。

※掲載内容は取材時の情報です。