とちぎの百様めぐり 芸術文化ふれあい編 | 栃ナビ!編集部のローカルさんぽ とちぎの百様めぐり | 栃ナビ!
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栃ナビ!編集部のローカルさんぽ とちぎの百様めぐり

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昔から受け継がれてきた栃木の芸術文化!職人さんたちの技術が生み出す美しい技術が芸術へと昇華し、さらに現代風にアレンジされて今も輝いています。とちぎの百様(★1)の中から、素敵な芸術文化に触れられるスポットを巡ります。【by.チョ~】
★1…後世に残したい、大切にしたい、自慢できる栃木県の100の地域資源のこと。

本場結城紬(県南地域)

【本場結城紬(小山市~下野市)様】

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江戸時代より高級織物として名声を博し、ユネスコにも認められた絹織物。すべての工程を手作業で行い、ふわっと軽く柔らかな独特の手触りが魅力です。
≫とちぎの百様「本場結城紬様」ページへ

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「本場結城紬」は、小山市の東部の鬼怒川に面した地域を中心に、下野市や茨城県結城市でも生産されている高級絹織物です。すべて手作業で作られるその製作技術は世界にも認められ、平成22年にユネスコ無形文化遺産に「結城紬」が登録されました。

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1.糸はすべて真綿から手つむぎします。

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2.絣(かすり)の模様付けを手くびりにて行います。

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3.地機(じばた)で織ります。

蚕のまゆ(シルク)を真綿にし、真綿から手でつむいだ糸を手織りすることで生まれる風合いは、最高峰の絹織物として、古来より多くの人々を魅了してきました。結城紬の製作工程は20以上ありますが、「糸つむぎ・絣くくり・地機織り」の3つの工程は国の重要無形文化財に技術指定されており、現在もこの製法は産地職人によって大切に守り続けられているんです!

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小山市にある「おやま本場結城紬クラフト館」では、本場結城紬の「地機織り」や「着心地体験」などが楽しめると聞いて、早速、本場結城紬の魅力を体験してきました!
≫「おやま本場結城紬クラフト館」スポットページへ

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ワークショップ「本場結城紬コースター織り」を行ってみました。出来上がりのこの風合いと触り心地が、江戸時代から続く本物の絹織物なんだなーと思うと感慨もひとしお。また、結城紬の着物の着心地体験もできますよ。お好みの結城紬と帯を選んで自分好みにコーディネートができます。きっと、あなたも結城紬のファンになること間違いなしです!

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最後にお土産選び。家族に結城紬の「シュシュ」と「ヘアピン」を、自分用に結城紬の「名刺ケース」を購入しました。実際にクラフト館で結城紬について勉強したり、織りの体験をしたり、とても楽しく充実した時間でした。みなさんも、ぜひ一度本場結城紬に触れてみてはいかが?

竹工芸(大田原)

【竹工芸様】

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大田原市を中心とした栃木県の「竹工芸」は、竹のしなやかな曲線と繊細な編み目の美しさが表現された竹アート。世界からも注目を集めています。
≫とちぎの百様「竹工芸様」ページへ

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軽く弾力のある素材の特性を活かし、様々な生活道具に姿を変える竹。竹かごやざるなど民芸品として全国各地で愛されていますが、大田原市を中心とした竹工芸は、民芸品の枠を飛び超え、日本のアートとして世界から大注目されています!

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■渡邉孝作氏「菱掛編花籃」/第17回 最優秀賞作品

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■内藤節子氏「亀甲編盛籃」/第16回 最優秀賞作品

大田原市は良質の竹が採れることで有名で、そのため、たくさんの著名な竹工芸作家さんが、現在もすばらしい作品をつくり続けています。現在、栃木県には竹工芸の分野で、勝城蒼鳳(かつしろそうほう)氏と藤沼昇(ふじぬまのぼる)氏のお2人が、人間国宝として認定されています!
また、大田原市では毎年「全国竹芸展」が開催され、全国からプロアマ問わず150点以上の竹工芸作品の展覧会が開催されています。その中から審査で、最優秀賞を筆頭に各賞の表彰が行われているのです。

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そんな、大田原の竹工芸を身近に感じられる「道の駅 那須与一の郷」に行ってみました。併設される「那須与一伝承館」内の「竹のギャラリー」には、美しい竹工芸品が数多く展示されていて、見るだけで感動。どれも、神技の細かい編み込みが施されています。そして、こちらでは人間国宝の勝城氏の作品が常設展示されているので、実物を見ることができるんです!
≫「道の駅 那須与一の郷」スポットページへ

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竹工芸のブローチ

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竹かご

竹工芸品は、現代の生活になじむようなソファやランプシェード、バッグといったおしゃれなアイテムもたくさんあるんですよ。道の駅ではお土産も売っています。ブローチと竹かごをお土産に購入しました。この素敵な竹かごに、大好きなミカンとお菓子を入れた姿を楽しく思い浮かべながら帰りたいと思います。

鹿沼のさつき(鹿沼)

【鹿沼のさつき様】

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鹿沼は日本有数のさつきの産地です。年に一度のイベントには、全国からたくさんの人が来場します!愛好家が丹精込めて作り上げた盆栽は、唯一無二の芸術作品といっても過言じゃない素晴らしさです!
≫とちぎの百様「鹿沼のさつき様」ページへ

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鹿沼I.C近くにある「鹿沼市花木センター」は、約13万坪の敷地を持つ、本場のさつきを中心としたガーデンセレクトショップです。ここに来れば、超高級の盆栽から、お手頃な盆栽、人気のミニ盆栽など色々な盆栽を手に取って見たり、購入することができます。
≫「鹿沼市花木センター」スポットページへ

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毎年5月の最終土曜日から10日間、全国最大級のさつきのイベント「鹿沼さつき祭り」が行われます。全国の愛好家たち自慢の盆栽約300点が展示される「さつき大展示会」や、約10,000本のさつきの展示即売会、特産品の販売などがあります。

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さつきには、4つの特徴があります。
1.木が丈夫で盆栽として適していること。鉢植えにしても何年も生息します。
2.花が個性的で美しいこと。花が大輪で、色彩が鮮やかです。
3.品種が多彩で収集の楽しさがあること。その種類は2,000種以上!
4.盆栽や鉢物としても優れた特徴を持っていること。
さつきは、江戸時代から園芸化され、多くの園芸品種が育成されてきた長い歴史があるのです。

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さつきの見どころは、花はもちろん、樹形や根張りの美しさにあります。このポイントに着目して、奥深いさつきの世界に興味がわいたら、あなたも立派なさつき愛好家です。まずは、自分の好きなカタチや色を探してみてね。

益子焼(益子)

【益子焼様】

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美しい里山が広がる穏やかな雰囲気の益子町でつくられる益子焼は、日用品でありながらも芸術性も兼ね備える、全国的にも有名な陶器です。
≫とちぎの百様「益子焼様」ページへ

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陶器の町のあちこちにある工房では、益子の土で思い思いの形をつくっては、登り窯という窯で陶器を焼き上げます。益子焼の独特のぽってりとした素朴なフォルムは、多くの人々に愛されていて、年に2回開催される陶器市には、県内外からたくさんの人が訪れます。

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■濱田庄司「掛合釉扁壺」/益子陶芸美術館蔵

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■濱田庄司「青釉黒白流描大鉢」/益子陶芸美術館蔵

益子焼は江戸時代末期に始まったと言われ、焼き物に適した良い土が採れることや、大市場東京に近いことで、鉢や水がめ、土瓶など日用の道具の産地として発展をとげました。
そして、益子焼の名声を大いに高めたのが、陶芸家の人間国宝濱田庄司氏です。大正時代から始まった民芸運動の中で、手仕事の日用の道具の中に「用の美」を見出しました。結果、益子焼は芸術品としての側面も持つようになりました。

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街の中心にある益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子では、濱田庄司氏や島岡達三氏といった益子を代表する陶芸家の作品が展示されており、素晴らしい作品を生で見ることができて、とても興奮しました。みなさんもぜひ行ってみてください!
≫「益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子」スポットページへ

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益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子をたっぷりと鑑賞した後には、館内にあるサロンでコーヒータイム。こちらでは、お好みの益子焼のカップでコーヒーや紅茶を飲むことができるんですよ。自分で気に入ったカップで飲むコーヒーは格別の味です。

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帰りは、益子の中心の通りである「城内坂」を散策しながらお買い物を楽しみました。個性的なお店が並び、伝統的なものから、現代風のかわいくてお洒落なお皿などの食器もあります。お店の人にお話を伺うとより深くその商品について知ることができ、愛着が湧いてきますので、ぜひ聞いてみてくださいね。穏やかな時間の流れる、ゆったりとした一日を過ごせました。

取材:2017年09月

※掲載内容は取材時の情報です。