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異常に多いまばたき
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相談者/メロンママ 担当相談員/上山先生(小児科医)
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| こんにちは。2歳2ヶ月の女の子なのですが、2〜3週間前から、突然、1秒間に数回まばたきするなど異常にまばたきが多くなり、心配しています。1日中まばたきが多い状態ではなく、全く気にならないときもあれば、とても気になる状態のときもあります。トイレトレーニングを始めた頃からまばたきが多くなったので、ストレスのせいかなぁとも思います。また、怒っているわけではないのに、「お母さん、怒ってる?」と何度も聞くようになったので、私の態度が原因なのかなとも思います。目がよく見えていないのかとも考えたのですが、びっくりするほど遠くのものも見えているので、視力のせいではないようです。チックなのでは、ということも考えたりします。すぐに病院に連れていった方がいいのか、このまま様子をみていればそのうちおさまるのか、とても心配で悩んでいます。 |
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| このような場合は、たぶんチック以外考えられません。 チックとは、突発的、急速、反復性、非律動性、常同的な運動または発声のことをいいます。抵抗しきれないものとして体験されるようです。ある程度の時間は制御できますが、その時間はさまざまです。ストレスにより悪化したり、集中して活動している間は、減弱することもあります。睡眠中は著明に減弱するようです。 チックには、運動チックと音声チックがあります。それらはそれぞれ単純性と複雑性に分けられますが、その境界は必ずしも明確ではありません。まず単純性運動チックでは、まばたきなどの目のチックが最も多く、その他、首振り、肩すくめ、顔しかめ、咳などがあります。複雑性運動チックでは、顔の表情をつくる、身なりをただす動作、飛び上がる、人や物に触る、足を踏み鳴らす、物の臭いを嗅ぐなどがあります。単純性音声チックでは、咳払いが最も多く、その他、鼻鳴らし、鼻をくんくんする、甲高い声などがあります。複雑性音声チックでは、状況に合わない単語や句の繰り返しが一般的です。その他、反復言語、反響言語(最後に聴いた音、単語、音節を繰り返す)などがあります。特異的な複雑性音声チックでは、トゥレット症候群におけるコプロラリア(汚言症、社会に受け入れられない、しばしば卑猥な単語の使用)があります。複雑性チックは、単純性チックより動きはやや遅く、一見すると目的性があるかのようです。 チックは6〜7歳で最も多く、思春期後半で減少してきます。部位では頭側から尾側へ、単純運動チックが最初で、複雑性運動チックや単純性音声チックがそれに次ぐのが一般的です。 持続期間が4週間以上で1年間未満の場合は一過性チック障害であり、1年以上続く場合は慢性運動性または音声チック障害といいます。 鑑別診断としては、舞踏病様の運動は、踊るような、でたらめの、不規則で、非反復性の運動です。ジストニーは、より遅く、捻るような運動が筋緊張が長く持続してひろがります。アセトーゼは、遅く、不規則で,もがくような運動が指先、つま先に最も頻繁にみられます。ミオクロニーは、筋の一部や筋群に起こる、短い、衝撃様の筋収縮ですが、筋共同運動がありません。広汎性発達障害、常同運動障害でみられる常同運動と、複雑性運動チックの鑑別は明確ではありません。広汎性発達障害はにおける常同運動は、拍手する、指を弾く、全身を揺する、のけぞるなどです。常同運動障害は、反復し、駆り立てられるようにみえ、非機能的な運動行動(手を震わせる、手を振る、指をやたらと動かす、物をくるくる回す、身体を揺する、頭を打ちつける、ものを口に入れる、自分の体を噛む、皮膚または身体の穴をつつく、自分の体を叩く)がみられます。強迫性障害では、強迫観念に対して強迫行為(反復的行動(手を洗う、順番に並べる、確認する)または心の中の行為(祈ること、数を数える、声を出さずに言葉を繰り返す))でその不安や苦痛を防ごうとします。成人では、強迫観念・行為が不合理であると感じています。 チックでは、家族は育て方が悪かったのではないかと自らを責めたり、様々な精神的行動的問題に発展するのではと不安を抱いていることも稀ではありません。チックは本人の持つ生物学的な要因が関与している医学的な問題であり、チックの原因は家族の育て方ではないこと、本人の性格が悪かったり、努力が不足しているためでもないこと、チックの大多数は一過性のもの(数週間〜数ヶ月間)であり、慢性化したとしても成人期までに軽快・消失する場合が多いため些細な変化で一喜一憂しないこと、チック症状のみにとらわれず、長所を含めた本人全体を考えて対応すること、を明確にすることが大切です。 治療目標は、チックの完全な消失とせずに、普通に生活できる程度という軽減におきます。初期治療は、チックを子供の言葉以外の思いの表現、子供なりのストレスの解消法とプラスに考えて受容するようにします。チツクを話題にしない、注意しない、叱らないようにします。チック以外の適切な行動をみつけて誉めるようにします。薬物治療は、本人の苦痛が強いか、機能障害が大きくて生活上の困難があったり、対応と環境整備のみでは、親子関係、学校関係に2次的な障害が出た場合に考えます。 チックと鑑別すべき疾患がいくつかあります。片側顔面けいれん、眼瞼けいれん、結膜炎、角膜炎、眼内異物などです。 片側顔面けいれんは、動脈硬化などで曲がった血管に顔面神経が圧迫されて発症します。成人、特に40歳以上の女性に多いようです。これは顔面神経の支配領域から片側性にみられ、突然、目の周りの軽度のけいれんから始まり、以後けいれんの強さと頻度が増加し、額、頬、口囲、顎などへ広がっていくことがあります。長期に続くと、患側の顔面筋の萎縮が生じ、顔が歪むことがあります。止めようと思っても止めることができず、緊張すると増悪します。瞬目、口をすぼめたりすることで、けいれんが誘発されます。手術顕微鏡下で顔面神経にくっついている血管をはがし、顔面神経の根元とその血管の間にスポンジなどを挟み込む手術(神経血管減圧術)で改善することが多いようです。また眼瞼けいれんでは、両側に発症の眼輪筋に発症することで、片側顔面けいれんとは鑑別されます。その他、結膜炎、角膜炎、眼内異物も鑑別疾患となるため、念のため眼科受診をお勧めします。 |
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