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子供の病気

おちんちんについて
相談者/うさこ 担当相談員/上山先生(小児科医)

 先日、1歳6ヶ月健診でおちんちんを見た先生(女性)が「おしっこが出難い事は、ありませんか?もし痛がったり、腫れたりするようでしたら病院でみてもらったほうが・・・。」と言われました。それまで、全く気にしていなかったのですが、おちんちんが気になってきました。お風呂で洗うにしても、皮が全くと言って良いほど動きません。皮を下げよう?とすると先が徳利の口の用になってしまいます。無理にやるのは、良くないと聞いていますので、あまり力は入れていませんが、どの程度の力で・どんな洗い方をしたら良いのでしょうか?また、仮性・真性包茎の場合、手術等は必要ですか?今、私がするべき事等を含め、おちんちんについて詳しく教えて下さい。宜しくお願い致します。

 担当:上山先生(小児科医)
 亀頭に包皮がかぶっている状態を包茎といいます。ペニスの包皮を飜転してみて、包皮輪(包皮の先端の開いている部分)が狭いため亀頭が全く露出できなければ真性包茎です。包皮輪がある程度広いため、完全または部分的にでも亀頭を露出できるが、包皮の長さが余剰であるために亀頭に包皮がかぶっている状態(部分的露出の場合は、包皮輪がやや狭いか、包皮と亀頭が部分的に癒着しているため)が仮性包茎です。
 新生児では包皮と亀頭が完全に癒着しているため、真性包茎なのか仮性包茎なのか、明確な鑑別は困難です(生理的包茎)。生後3〜4ヶ月ころから包皮と亀頭の間の剥離が自然に始まり、上皮の剥脱による恥垢の形成がみられるようになり、これが包皮下に黄白色の塊としてみられるようになります。この恥垢ががさらに包皮と亀頭の分離を促します。包皮飜転が可能(部分的にでも亀頭を露出することが可能)とはならず、真性包茎のままでいる割合は、生後6ヶ月では80%、1歳では20%、3歳では10%と、3歳以下で急速に真性包茎は減少し、思春期では5%、思春期以降ではほぼ0%となります。仮性包茎も思春期以降では10%に減少します。
 以上のように、仮性包茎はもとより、小児期においては真性包茎でも病的意義はほとんどなく、通常特別の処置は必要としません。手で無理に亀頭を露出させて洗う必要はなく、包皮と亀頭の間に恥垢が溜まっていても、これを無理に取り除く必要もありません。それでもどうしても恥垢が気になる場合は、決して無理しない範囲で包皮を飜転し、お湯で洗うか、石鹸を使用して洗います。皮膚粘膜移行部であるため、刺激に対しては敏感であり、強くこすると発赤したり疼痛を生じるため、優しく洗うことが必要です。割礼(新生児〜幼児期に包皮を切って亀頭を露出させるもので、古くからユダヤ教徒やイスラム教徒の間で行われてきた宗教的な儀式。世界人口の1/6の人々が受けているといわれています)を受けた人には、陰茎癌が少ないという説がありますが、逆の説もあり、恥垢が陰茎癌の原因になるという学説は根拠が薄弱です。しかし、以前と違って今日では真性包茎を病的とみなす風潮があり、ご両親にその考えが根強いようです。
 包茎に対して、手術が必要になるのは以下の場合です。(1)どうしても親や本人が気になるという場合、(2)包皮輪が極端に狭くピンホール状であり、以下の排尿異常の症状がある場合、つまり排尿時に尿線が細く、包皮全体が風船状に膨らんだり(バルーニング)、尿が斜めに飛んだり散乱し、周囲を汚染したり(尿線散乱)、包皮と亀頭の間に溜まった尿が排尿後も残り残尿の状況となり、常に下着が尿で湿っていたり(尿瘤形成)する場合、(3)亀頭包皮炎(亀頭の発赤、腫脹、疼痛、膿汁分泌などがみられ、包皮内板と亀頭部の間に細菌感染が生じるため発症するものである。恥垢の関与は薄いと考えられており、完全に包皮と亀頭の癒着を剥離しても、亀頭包皮炎を発症することがある)を反復罹患する場合、(4)尿路感染症に罹患した場合(特に膀胱尿管逆流(VUR)がある場合)、(5)尖圭コンジローマを合併した場合(パピローマウィルスによる。成人で性的感染により発症するが、小児でも稀ながら発症する。亀頭包皮炎や湿性環境がウィルスの増殖母地になりやすいため)には、通常手術療法が必要になります。ただ(1)(2)の場合は、手術療法に踏み切る前に保存療法を試みてもよいかもしれません。
 保存療法にはいろいろありますが、その内の1つを紹介しましょう。毎日1〜2回、子供が痛がらない程度に包皮を飜転し、包皮口を広げ、そこに少量のステロイド軟膏(マイルドなもの)を擦り込んだ後に、飜転をまた元にもどすことを繰り返します。完全に飜転可能となれば、軟膏は中止しますが、その後も数日に1回は入浴時などに飜転を繰り返す方法です。確かに包皮と亀頭の部分的な癒着は自然経過よりは早く剥がれ、包皮口が広くなる可能性があり、4週間で70%以上の症例に有効であるといいます。しかし用手的包皮口拡張法は、嵌頓包茎や出血の危険性があり、勧めない医師も少なくありません
 真性包茎の大部分は思春期までに自然治癒するものであり、原則的には治療の必要はありませんが、年齢により治療方針が異なってきます。乳幼児期では、上記合併症がなければ、乳児では包皮輪の直径がピンホール状であっても放置しておき、幼児以上では包皮輪の直径が5mm以上あれば(外尿道口が見えるくらい)ほほ゛確実に自然治癒するため放置しておきます。年長児では、保存療法が無効な場合(嵌頓包茎の危険性が増加すること、思春期を迎える心理的な面を考慮して)、嵌頓包茎(ピンホール状の真性包茎では発症せず、多少包皮輪が開いている真性包茎で発症します。多くは、患児や父親が無理に亀頭をだそうとしたことにより、先端の循環障害を起こして、包皮の著明な浮腫をきたします。たとえ用手的に嵌頓が解除されても、再発防止のために早急な手術が必要となります)を起こした場合、閉塞性乾燥性亀頭炎の場合(包皮口が病的に白く瘢痕化する異常)などに限りに手術をします。手術方法は、狭窄が高度である場合には環状切開術行いますが、術後は亀頭が常時露出するため、子供によってはかえって劣等感を持つ恐れがあります。このため、包皮を切除しないで広げるだけの術式(Z形成術など)を選択することもあります。
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