|
|
顔を引っかくんです・・・
|
|
|
相談者/輔ママ 担当相談員/上山先生(小児科医)
|
| はじめまして。今3ヶ月の息子なのですが、1ヶ月くらいの時から顔を引っかいて傷が絶えません。爪を頻繁に切ったり、一時はミトンもさせていました。最近は暖かくなってきたしミトンもはずしたのですが、今日の朝顔を見ると白目に傷がついていました。特に起きて伸びをする時やおなかがすいている時に引っかくようです。顔だけではなく耳をひっかいたり最近では後頭部を強く引っかきます。生後2週間くらいからニキビみたいなのがいっぱいでき、直ったと思ったら2ヶ月のとき湿疹が出ました。どちらも皮脂の分泌が多いからと言われ薬を使い続け、かなり直ってきています。引っかくのと関係あるのでしょうか?またどうしたらひっかかなくなるでしょうか? |
|
|
| 皮膚の質問はやはりかなり難しいです。たぶん生後2週間くらいからできたニキビのようなものは乳児脂漏性湿疹だったと考えられます。乳児脂漏性湿疹は通常生後2週間から2ヶ月の間に発症することが多く、遅くとも生後4〜6ヶ月以内には発症し、どんなに遅くとも生後1年には治癒します。乳児のアトピー性皮膚炎との鑑別が困難で、本質的にアトピー性皮膚炎の一種とも考えられています。アトピー素因や母親の性ホルモンが関係しているといわれています。殺菌能を持つ不飽和脂肪酸の減少により細菌、真菌の繁殖をきたします。ただ脂漏性湿疹では、痒みがないか、ほとんどありませんから、今回の引っ掻く動作の原因としては、考えにくくなってきます。生後3ヶ月以降に自然に治っていくことが多いですが、アトピー性皮膚炎に移行していくことも少なくありません。またアトピー性皮膚炎には必ず痒みが付きまといます。ですから今回の引っ掻く動作の原因としては、乳児脂漏性湿疹からアトピー性皮膚炎に移行したか、アトピー性皮膚炎が新たに発症してきているものと考えた方がよいでしょう。 乳幼児アトピー性皮膚炎の発症は生後2〜3ヶ月が最も多く、6ヶ月以内にはほとんどが発症します。最初は顔面の両頬部、下顎部、前頭部、次いで被髪頭部、耳介周囲、1〜2ヶ月遅れて体幹部、四肢にも症状が出現します。いずれも接触を受けやすい部位(突部)に集中しており、皮膚のバリア機能の未熟な乳児期の特徴です。赤くなり、時にジクジクしてきます。苔癬化(皮膚が厚くなること)はみられません。この時期に痒みを感じていると判断できる動作としては、抱かれた母親などの衣服に顔をこすりつける、首を左右に振って後頭部を寝具にこすりつける、背中を寝具にこすりつけながら頭上の方に這いあがる、前腕外側、下腿外側を上下に動かし寝具、畳にこすりつける、左右の足をこすり合わせる、などです。また通常3〜4ヶ月では、手の届く前頭部の頭髪生え際と側頭部のみをさかんに掻きますが、後頭部を引っ掻くようになるのは通常生後6ヶ月前後です。生後3ヶ月でそこまで手がコントロールできるのは、手先が器用なのでしょうか。それともあまりに痒みが強いのでしょうか。また耳の付け根の耳切れ、つまりこの亀裂性皮疹は他疾患ではまずみられないアトピー性皮膚炎に特徴的な所見ですので、あるかないか確認して下さい。発生機序は不明ですが、耳の付け根は全身の皮膚で最も屈曲した部位であり、同じような皮膚屈曲部である肘窩、膝窩もアトピー性皮膚炎の好発部位であることを考えあわせると、いわゆる皮膚の折れ曲がった部位に皮疹を伴いやすいといえるのかもしれません。屈曲部位は汗や皮垢が蓄積しやすいからともいわれています。ただしこの耳切れがないからといって、アトピー性皮膚炎ではないとはいいきれません。それがあればかなりアトピー性皮膚炎が確かであろうということです。 このような痒みは、皮膚温が急激に上昇する場合に特にひどく増強するようです。具体的には、身体を動かし始めた時、入浴の時、環境温の変化(暑い部屋に入った時)、就寝時(ふとんに入って間もない時)、怒り・興奮などの情動の変化時などです。皮膚温の微妙な上昇を神経が痒みとして伝達するため、痒みの治療としては皮膚を冷やすことが知られています。入浴後すぐにふとんに入れず、上昇した皮膚温を少し冷ましてから就寝させるようにします。今回の起きて伸びをする時やおなかがすいている時などはまさに典型的です。 どうしても引っ掻く動作が改善しない場合は、それ自体で皮膚炎を悪化させますし、皮膚炎の悪化はまた痒みを増強させるという悪循環になりますので、引っ掻くという動作を何としても止める必要があります。これには、スキンケア、環境整備、外用薬療法(ステロイド、非ステロイド)を適切に行うことが大切です。この具体的方法、注意点に関しては、3月22日の「貨幣状湿疹」についての相談の回答を参考にしていただければ幸いです。それでも痒みがコントロールできない場合は、抗ヒスタミン剤や抗ヒスタミン作用を有する塩基性抗アレルギー剤を補助的に使用し、内服します。また手でどうしても引っ掻いてしまう場合は、ミトンも一つの方法ですが、余計悪化させることもあります。このような場合は、最終手段として、ボール紙で作った円柱型のものを肘にはめて、腕が曲げられないようにするより方法がありません。ただこれでも、完全ではなく、この円柱型のもので頬をなすってしまい、余計に皮膚炎を悪化させることもあり得ますので、紙おむつの内面をボール紙に貼ってみるのも一法かと思います。 |
| | お店の推薦・クチコミ投稿 | 規約 | プライバシーポリシー | 運営会社 | 広告掲載について | お問い合せ | |
| (C) Yamazen Communications Co.,Ltd. All Rights Reserved. |
| ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社 (栃ナビ!をつくっている会社です) |