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子供の病気

毛玉を食べるんです。
相談者/to-yamama 担当相談員/上山先生(小児科医)

もうすぐ1歳2ヶ月の男の子です。最近絨毯やタオル地の物をむしったり噛み切っては食べてしまい、体に悪いのではと心配です。怒ってもやめません。何か原因があるのでしょうか?胃腸に影響はありませんか?

 担当:上山先生(小児科医)
 絨毯などの毛を食べてしまうということですが、問題点が3つあるように思います。 
 1つ目の問題点は、
「抜毛症」という疾患に付随して見られることがあるという点です。抜毛症は、体毛を抜く時の快感、満足、解放感から、体毛を自分で繰り返し抜き、体毛の喪失が目立つようになる精神疾患の1つです。最も多い部分は頭皮(中心部、頭頂部、耳上部が多い)、眉毛、まつげですが、ツルツルにならず、生えている部位と抜けている部位の境界がはっきりしないのが特徴です。念のため確認して下さい。年齢が5歳位になると、抜毛は通常他人の前ではせず、抜毛行為を否定しようとします。この疾患ではペット、人形、セーター・絨毯などの繊維素材から抜毛し、食毛症(毛を食べること)が起こったりすることがあります。また抜毛で安心感や解放感を得ようとしているため、抜毛をやめさせようと注意したりすると、罪悪感や緊張感を高めてしまうことになり、やめないばかりか、かえって症状を悪化させることになりかねないことがあるので注意して下さい。またお母さんの気を引こうとして行っている場合もありますので、食毛という行動自体にとらわれるのではなく、さらに一緒にいる時間を増やし、接触を図るようにしてあげることが大切かもしれません。 成人女性での抜毛症と違い、小児期早期の抜毛症は習慣ととらえてもいい範疇の可能性もあり、万が一抜毛症だとしても、あまり心配される必要はないでしょう。
 2つ目の問題点は、
「食毛症」では食べた毛(特に長い毛の場合)が腸内に移動して回盲弁に引っかかりイレウス(腸閉塞)を発症したり、毛髪胃石を引き起こし胃石の圧迫による胃潰瘍を発症したりすることがあることです。通常は問題なく便中に排泄されると考えられますが、胃潰瘍や腸閉塞を発症してきた場合には、不機嫌・吐血・下血・嘔吐などがみられますので注意深く経過をみて下さい。
 3つ目の問題点は、この状態から
「異食症」(picaといいますが、カササギのことで、このカラス科の鳥がなんでも口にいれるところから名づけられました)の可能性を否定できないということです。異食症は、人が食べることを拒否する物(紙、土(土食症)、粘土、爪、白墨、線香、木炭、生米、クレヨン、毛髪、虫、小石など)や嗜好の範囲を超えた酸味・辛味のあるものに異常な食欲を示し、当人は異常な行動であることを認識しているがやめることができない病態のことです。妊娠時にはこの軽い病態がみられることがあることはご存知だと思いますが、それ以外では基礎疾患として鉄欠乏性貧血(氷食症、土食症が多い)、寄生虫(特に鉤虫症)が重要ですので、あまりにも長くその状態が続く場合は、小児科を受診して下さい。 

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