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予防接種について
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相談者/MOMO 担当相談員/上山先生(小児科医)
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| 4ヶ月の子を持つママです。もうそろそろ予防接種を受けようと思っています。予防接種の内容の中に「皮膚疾患の子はかかりつけの医院でご相談後」と書いてありますが、どうしてですか?うちの子も軽いじんま疹の様な物が出ていて、塗り薬を塗っています。医院で聞いてからの方がいいのでしょうか。 |
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| アトピー性皮膚炎や蕁麻疹など皮膚疾患がある児では、そうでない児に比べて鶏卵、ゼラチン、その他のものに対するアレルギーの可能性が高いと一般的には考えられています。鶏卵アレルギーは、鶏卵あるいはその加工品を食べることによって、口の中あるいは口周囲の発赤、蕁麻疹、嘔吐・下痢などの即時型の症状を呈し、最も重症ではアナフィラキシーショックを呈することもある疾患です。診断はこれらの症状と血液検査で、卵白や卵黄に対する特異的IgE抗体が高値なことから診断されます。ゼラチンアレルギーも同様に診断します。 麻疹・おたふく・インフルエンザワクチンなどはニワトリ胎児胚細胞・受精卵を用いて製造されるため、卵白や卵黄に対して反応する鶏卵アレルギー患児への接種が懸念されることになります。ただし麻疹・おたふく・一部の風疹ワクチン・狂犬病ワクチンなどは、発育鶏卵ではなくニワトリ胎児胚の培養細胞で増殖したウィルスを使用しています。そのため混入する卵白アルブミン量は0.5ng/ml以下と極めて微量ですが、鶏卵摂取後に即時型反応を呈するなど過敏性の高い鶏卵アレルギー児の場合は、ワクチン原液を10倍または100倍に希釈し、皮内反応を行います。その結果によりワクチン接種をするかしないか、接種する場合でも減量して接種するかどうかを決めることになります。なお皮内反応の判定の正確を期すためには、抗アレルギー剤を服用している場合は接種前日から中止した方がよいでしょう。 それに対して、インフルエンザ・黄熱病ワクチン(以前のおたふくワクチン)などは、発育鶏卵の尿膜腔で増殖したウィルスを使用しており、混入する卵白アルブミン量は数ng/ml程度の混入は避けられない可能性があります。したがって鶏卵アレルギーの過敏性の程度が鶏卵摂取後2時間以降の軽症型であっても、希釈したワクチン原液でまず皮内反応を行うべきであると考えられています。 ゼラチンはワクチンのウィルス抗原を安定させるために加えられてきましたが、ワクチン中のゼラチンによるアレルギー反応の報告が1989年に日本で最初に報告されました。従来、免疫原性が極めて低くアレルギーを起こしにくいと考えられていたゼラチンでしたが、一部のメーカーの3種混合ワクチンに含まれていた極微量のゼラチンが複数回接種されるうちに、ゼラチン感作を増強していることがわかり、1999年から全メーカーの3種混合ワクチンからゼラチンが除かれ、以後ゼラチンアレルギーは激減しています。その他のワクチンでも開発が進められ、大方のメーカーの製品はゼラチンやアルブミンを全く含まない方向に向かいつつあり、あと1年以内で大きく変化すると思われます。また血液検査でゼラチンIgE陽性のゼラチンアレルギー患児においては、ゼラチンを含有しているワクチンの接種は禁忌です。 なお重症のアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患のある場合は、鶏卵やゼラチン以外のワクチン中の成分に対してもアレルギー反応を起こす可能性があるため、ワクチン接種前に希釈したワクチン液による皮内反応を行うことが望ましいでしょう。なおアトピー性皮膚炎などに対してステロイド軟膏を使用している場合は、日本脳炎などの不活化ワクチンは接種可能ですが、麻疹、風疹などの生ワクチンの場合は主治医の先生とよく相談して決めて下さい。ステロイド軟膏はよほど長期に大量に使用していない限り、生ワクチンでも通常は接種可能だと思います。また風疹ワクチンの場合は、ウサギまたはウズラのアレルギーが、B型肝炎ワクチンの一部では、ハムスターのアレルギーが問題となります。 以上のように皮膚疾患のある場合は、ワクチン成分に対するアレルギーの有無が大切で、医師が問診表で確認しますので、できるだけ細かく書き込むようにして下さい。アレルギーの疑いがある場合は、血液検査をして確認することになります。ただ鶏卵アレルギー児でワクチンのアレルギー性副反応の頻度が高率かというと実際はそうではなさそうですので、あまりもワクチンに対して神経質になっていただいても問題です。ワクチン接種の可否は、ある疾患に罹患した場合の生体の危険性と、ワクチンによる予防効果や副反応とのバランスをよく考えて決めていただくのが妥当だと考えます。 |
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